2018年08月28日

囲碁AIとGPU①

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

今週広島今治に行ったりしたので、またブログの記事にしたいと思います。
今回は囲碁AIにも関係あるパソコンのパーツに関してお話をします。
いくつか専門的な話題になりますが、なるべく分かりやすくお伝えできたらと考えてます。

私は普段からパソコンを自作しているのでそれなりに詳しかったりします
最近では棋士仲間からもパソコンの事を良く聞かれます。

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私の自作したパソコンです。
上のロボットの人形はパソコンとは関係ありません(笑)

囲碁AIで重要なのがGPUと呼ばれるパーツでグラフィックボードとも言います。
GPUは本来はパソコン内の画像をディスプレイに出力するのが目的ですが
AIは画像認識で囲碁を捉えているのでGPUが重要なのですかね?

因みに「天頂の囲碁」や「銀星囲碁」などの市販しているものはGPUの支援を受けれないのでそこは注意が必要です。
大半のフリーソフトではGPUが有効で、私自身も「AQ」、「LeelaZero」でかなり効果があるのを確かめました。

現在、グラフィックボードは大元のチップを提供している会社が「NVIDIA」と「AMD」の2社があります。
AMDは最近話題の仮想通貨のマイニング(発掘)に有効などチップメーカーによって特色が違います。
囲碁AIを動かしたい場合はNVIDIA社の製品を選ぶと良いかと思います。
まだ私自身確認していませんが「PhoenixGo」というAINVIDIA社の製品が無難かと思います。

さて、現在NVIDIA社が出しているGPUは「GeForce GTX」の1000シリーズと呼ばれるもので1030から1080tiまで発売されています。
基本的には数字が大きい方が高性能と考えてもらって問題ありません。
私が使っているのは「GTX1060」で、そこまで不満はないのですが高性能になると検討でも信頼性が増します。

例えば「LeelaZero」はシチョウをちゃんと分かっていなかったり、五目ナカデをうっかりしたりと一部で不備があったりします。
GPUの性能が上がるとその辺りの問題も解消されるかもしれません。

ここまでの話をまとめると
・AQやLeelaZeroはGPU(グラフィックボード)が必要
※一応GPUなし版もありますが棋力はだいぶ落ちます。
・GPUはNVIDIA社のGeForceを買うのが無難
・GeForceは現行モデルが1030から1080tiがあって数字が大きい方が高性能

こうなります。
……と話がかなり長くなったので一旦はここまでにしておきます。
来週はGPUの今後の展開についてお話します。
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posted by プロ棋士さん at 16:50| Comment(0) | AI囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月22日

本田邦久九段との初対局②

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

更新が1日遅れてしまい申し訳ありません。
今週は前回の予告通り本田邦久九段との対局の続きとなります。

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前回の局面から進んで、本田九段の黒1のケイマに白2とこちらを押さえ込んで険しい局面です。
ここでの評価値白の54%で悪くはない局面です。
しかしこの後で白は悪手を打ってしまいます。

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白1が失着でここは先に白Aと中央に出る一手でした。
実戦は黒2の後に3と出て行きましたが明らかに遅れています。
本音を言うと白1には受けてくれないだろうなと思いましたが、白Aに黒1とサガられる形が嫌で打ってしまいました。
ここは部分的な形よりも中央への速度が重要な局面でした。

自分の棋風を分析するとどうしても部分にこだわって形勢を損ねる事が多いのでそこは直さないといけませんね

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最後に敗着となった局面です。黒が1とアタリをしてきました。実戦は……

ブログ0822a.png
白2と切ってから4とアテましたがここのコウは白から解消の仕方が難しく、ここではっきりと負けにしました。
局後の検討で本田九段に教えて頂いた図が下の図です。

ブログ0822a.png
黒1の時に当然白2と抜く手は考えましたがその時は黒3とカケツがれて、白が不味いと思っていました。
しかし白6からコウの粘りで白がしぶとい形です。
その上、白8や10が外回りに石が来て、これなら白も勝負できそうです。
この図を教えて頂いただけでも、
価値があったと思います。

さてここまで手合の内容ばかりだったので、本田九段のエピソードを
私が院生本田九段院生師範だった時の話です。
本田九段はとても遠くから全体的に院生の碁を見てらっしゃいました。
その時はそんなに遠くから碁なんて見れるのかな?と半信半疑でしたがある日のこと……。

ある院生手合でコウ立てを打たずにコウを抜いてしまいました。
当然反則ですが、終盤の上にお互い秒読みの状態です。
周りの院生はもちろん、当の本人も気づいていませんでした。それなのに局後、本田九段が指摘して驚きました
その場にいる誰よりも良くその碁を見ていたのです。
数m離れた距離から!
当の対局者よりも(笑)

それからは、碁の強さだけでなくその姿勢や佇まいも含めて私の憧れの棋士となりました。
今回の手合では負けてしまいましたが、次に対局する時までにもっと勉強して『恩返し』出来るよう頑張りたいと思います。



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posted by プロ棋士さん at 13:04| Comment(0) | プロ棋士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月14日

本田邦久九段との初対局①

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

世間的にはお盆休みですが、研究会が変わらずあるので普通に関西棋院に来ています(笑)
さて、前回告知した通り先週は本田邦久九段との対局がありました。
最後はボロボロになったのでここでお話するのも辛いところですがブログの格好のネタなので記事にさせて頂きます。

本田九段と言えば、かつて名人本因坊リーグに在籍しNHK杯でも優勝するなど輝かしい成績を残されている先生で私の憧れでもあります。
今回初手合という事で大変対局を楽しみにしていました。

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私の白番です。最近は黒1のカカリには手抜きするのが多く見られます。
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局面は進んで黒1とこちらの両ガカリも手を抜いて白2のカケが好点です。
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その後に白は1からグイグイ押していきます。太線で囲った辺りの黒模様を制限する狙いです。
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実はここまで割と自分の構想通りに進んでいていい感触だったのですが、ここで後悔の手が出ます。
黒1のブツカリに対して実戦はAにマゲたのですが、ここは白2のハネダシを決行するのでした。
おそらく上の図の黒11までになり先手で白が稼げます。
打ってる時は白Aを先手で決めてから2とハネ出すつもりでしたが当然手抜きされ黒に左上隅に回られました。

ここから中盤戦に入りますが続きは次回にしたいと思います。
本田九段は御年73になられますが碁はもちろんの事、当然足腰もしっかりされてて、体格も以前とお変わりない様に見え受けました。
今はやってられるか存じ上げませんが、本田九段と言えば山登りが有名で相当鍛えられてるのでしょうね。
正に心技体の一体化で、以前師匠の苑田勇一九段を棋士の究極の形と評しましたが本田九段もまた棋士の究極の形だと思います。

本田九段は私が院生の時に短い間でしたが院生師範をやって頂いた時期があるのでその時のエピソードも次回に書く予定です。
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posted by プロ棋士さん at 15:47| Comment(0) | プロ棋士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月07日

こども囲碁道場、夏期講習2018

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

前回はジャパン碁コングレスの事と私が作った詰碁の話でした。
今回は詰碁の解答と、こども囲碁道場夏期講習のお話をしたいと思います。

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黒先白死の問題です。

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黒1のコスミが急所になります。白2とツケた時に黒3とこちらからハネるのが好手で白はナカデになります。

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この図は黒の失敗図です。黒1のサガリもありそうですが、白2と押さえられ左右に一眼ずつ出来て白が生きています。
前回お話しした通り、この詰碁はまだアマの頃に作った詰碁ですが実戦にたまたま出て来たので完全な創作とは言えないかも…
ですが、良い問題なので個人的には気に入っています

さて、今年も関西棋院こども囲碁道場夏期講習が7月の末に行われました。
今年は私は講師として参加は出来ませんでしたが、60名余りの子供達が参加して大盛況でした!
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流石に60人が入れる部屋がないので、今回はABCの3クラスに別れて皆熱心に勉強しておりました。
その中で面白い勉強法をご紹介いたします。

一番上のAクラスで横田茂昭九段の授業で
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この状態で黒から打って生きる事が出来るか、黒と白に別れて競い合います。
我々プロの感覚からしたら、まず生きないだろうという形ですが、子供達同士だとかなり黒が生きていた様です。
1回終わった後に黒白交換してもう一度やるので、攻める力と凌ぐ力の両方が身につきます。

この様にただ対局するだけでなく、様々な勉強を取り入れているので子供達にとってはとてもためになっていると思います。
夏休みに集中して勉強すると子供は特に伸びるので参加者のこれからの活躍に期待です🎵
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posted by プロ棋士さん at 16:59| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月31日

2018年ジャパン碁コングレスin宝塚②

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

先週は宝塚で行われたジャパン碁コングレス
についてお話しましたが、今回はその続きと別件ですが
詰碁出題したいと思います。
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会場の前の看板

コングレスはアメリカやヨーロッパでも行われており、日本では関西棋院と宝塚市さんが最初に始めました。
今回で第三回になりイベントも大規模なものが行われました。
欧米のコングレスは大学構内で行いますが日本だとそういうのが難しく毎回開催場所に苦慮しております💦
今年は宝塚駅に隣接しているソリオホールが会場になりました。
メインホールは大きく、イベントをやるにはもってこいです。
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対局者も国際色豊か

上の写真の通り、参加者は国際色豊かで通訳の方も沢山いて大変助かりました。
この様な国際イベントがある度に英語や中国語が話せたら…と思いますが結局何もしていません
凄く便利な翻訳機が出来る事を祈ってます(笑)

ではこの辺りで面白エピソードを
コングレス初日、入り口で受付を済ましてない参加者を止める役目を前述の小野幸治四段とやっておりました。
その時に小野四段が「受付を済ましてない方は会場には入れません!」とせき止めている人を見たら…
なんとその方はメインゲスト趙恵連九段ではありませんか!!
そうこうしている内に田村千明三段が「その人は特別ゲストやで💢」と飛んで来ました
確かに趙恵連九段は凄くラフな格好だったので気付かないのも無理はないかも💧
小野四段は平謝りでしたが趙恵連九段は特に気にされて無い様でとても気さくな方でした🎵
やはり強い方は普段はオーラを隠していて対局時にはオーラ全開といったところでしょうか?
何はともあれ、四日間無事に開催が出来て本当に良かったです。

さて話題は変わりますが、最近自分が今まで作った詰碁を整理しています。
引っ越しの時の荷物整理と似ていて、作った当時の思い出が蘇ってきて作業の方は余り進みませんでした(笑)
その中で私が最初に作った詰碁を今回は出題します。
ブログ0730.png
私が最初に作った詰碁

黒先白死で、この問題は私がアマの5~6段の頃に作った問題で確か自分の実戦を元にしました。
実戦を元にと言いつつ似た筋は玄玄碁経鶴唳奔師にあります。
因みにその詰碁が下の図です。
キャプチャzz.JPG
玄玄碁経の鶴唳奔師

まぁこれは作った後に気付いたので勘弁してもらえたら💦
当時は小学生でしたしね(笑)

答え合わせは次回行います。


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posted by プロ棋士さん at 08:00| Comment(0) | 囲碁大会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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