皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。
関西棋院棋士の星川愛生です。
桜、きれいに咲いていましたね!もう葉桜になっているのもありますが💦
春は個人的に好きな季節です。
さて、ここしばらくはAIについての記事が多かったので今回は詰碁に関してお話します。
タイトルの通り、「碁経衆妙」についてです。
碁経衆妙は1812年に林元美が発行の詰碁集です。
古典詰碁というと何やら難しそうですが、実は易しい問題も多くジャンルも死活、コウ、攻め合い、オイオトシ、ワタリ等々と多岐にわたります。
難易度も初級からプロレベルまであります。碁経衆妙の名前は知らなくても、問題自体は皆さんも見たことがあるかと思います。
現在の基本問題の原典的な存在になります。
碁経衆妙は1812年に出たあと、様々な棋士が研究して出版しています。
山海堂さんから橋本宇太郎九段が出しているものが有名でしょうか。
しかし最近、呉清源九段解説の碁経衆妙を発見しました。
本の名前もずばり「呉清源の碁経衆妙」です。ストレートなタイトルで分かりやすいですね(笑)
呉清源九段と言えば当時の強者を番碁で打ち込み、時の第一人者でしたが詰碁の著書も数多くあります。
有名なのは寿石不老ですかね。私も本がボロボロになるまで解いた記憶が💦
※生の部と殺の部
なので、とても興味があり購入しました。
特徴の一つとして橋本宇太郎九段著のものは一冊にまとめてありますが「呉清源の碁経衆妙」は全5巻となっています。
それぞれ、生の部、殺の部、コウの部、攻の部、雑の部となります。
実際に読んでみて感嘆した問題を出題します。
白番で生きる問題ですが、実は生きるだけなら簡単です。
白1が正解で黒は2と押さえます。ここで白がAかBに打てば生きています。
普通の詰碁本なら「AでもBでも生きています」で終わりです。
「呉清源の碁経衆妙」で凄いのはここでAとB、どちらが地が得か結論を出しているところです
これは研究熱心な呉清源九段らしくもあり、結論をしっかり出すのは大切なことです。
実戦でも出てくる形なので皆さんも考えてください
次回に答え合わせします。
歴史があり囲碁の勉強には欠かせない碁経衆妙ですが、実は「とほほな問題」もあります。
黒先白死の問題ですが、実は答えが3つあります💧
原本の正解図です。なるほど、確かに死んでいます。
黒1のハネツギでも死んでいます
更には…
黒1のサガリでも死んでいて、むしろ外の影響力を考えるとこちらが最善かも知れません
私の想像ですが、出版した当時に林元美先生は碁打ち仲間にこの問題を突っ込まれたのではないでしょうか。
「林先生、この詰碁ですがどうやっても死んでますよ」的な感じで💦
碁経衆妙は問題数も多いので失題がいくつかあるのは仕方ないかもですね。
上の図は呉清源九段の提言した図です。
原本よりダメが一個空きました。これで原本通り、黒1のツケしか白は死にません。
ダメが詰まるというのはやはり怖いものです…。
次回は2021年4月20日(火)に更新予定です。
内容は「呉清源の碁経衆妙」の続きをします。

