2020年04月22日

幻の古典詰碁「玄覧」①

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

政府からの緊急事態宣言を受けて、関西棋院も閉鎖状態で手合も中止の状態です。
幸い、私の方は囲碁AIと対局したり古典詰碁の整理をしたりと意外と忙しくしております。
さて以前から私の趣味の一つに詰碁作りがあるのは皆さんも御存知の事かと思います。

実はそれに加えて古典詰碁も好きで、今は紙ベースのものをパソコンのデータに入力して整理しております。
そんな折、古典詰碁に「玄覧」というものがあるのを知りました。
古典詰碁といえば、「玄玄碁経」「官子譜」「碁経衆妙」「発陽論」が定番で「玄覧」は聞いた事がありませんでした。
調べてみると、どうも江戸時代の棋士である赤星因徹が作った詰碁集との事でした。
赤星因徹といえば本因坊丈和との吐血の局があまりにも有名ですが、因徹の著書である「玄覧」はあまり知られていません。

江戸時代の書籍なので当然現物は手に入りませんし、昭和初期に木谷実九段が「玄覧」を研究して書籍化したみたいなのですが
それも現在購入するのは難しそうです。
と、調べているうちに木谷実九段が研究して書籍化した「玄覧」の中国語版が中国で売られている事に気付きました。

赤星因徹の詰碁を木谷九段が研究し、それを中国語訳したというややこしい話ですが
私としては「玄覧」の詰碁さえ確認できたら良いかと思い、中国から取り寄せました。

その内容は素晴らしいもので、これは紹介するしかないと今回の記事にした次第です。
それでは早速、「玄覧」のうちの1問をご紹介いたします。

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黒番です。これは死活では無く手筋の部類ですね。
それと形がきちんと決まっていないのも古典詰碁の特徴です。

無題.png
まずは、1と2の交換が大切。

無題.png
黒5のアタリもこの一手で、その時に黒7のハイコミがポイントです。
この手は石の下を狙っています。

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黒7に白8と押さえると黒9が石の下の形に持ち込む好手です。

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白は10、12と黒を取りに来ます。
白14で黒の四子は取られましたが…

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黒15と切る手があり、白△の七子が取れます。
因みに変化図として

無題.png
黒7に白8とホウリこむのは黒9、11が好手で攻め合いは黒勝ちです。

無題.png
実戦なら白は6とコウに弾く方が良いかも。
ただ黒としては、どの道大戦果に違いありません。

さて、「玄覧」はいかがでしたか?
今回からシリーズとして、何回かに別けてご紹介したいと思います。
「玄覧」実戦型の問題が多く、皆さんの棋力向上間違いなしです
では早速次回までの宿題を

無題.png
今、白が△にハネたところです。いかにも実戦でありそう…
この時にヨセの手筋があります。
答え合わせは次回に行います。

次回は5月5日(火)に更新予定です。
内容は古典詰碁の玄覧シリーズ第二弾です。
posted by プロ棋士さん at 15:10| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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