2018年08月22日

本田邦久九段との初対局②

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

更新が1日遅れてしまい申し訳ありません。
今週は前回の予告通り本田邦久九段との対局の続きとなります。

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前回の局面から進んで、本田九段の黒1のケイマに白2とこちらを押さえ込んで険しい局面です。
ここでの評価値白の54%で悪くはない局面です。
しかしこの後で白は悪手を打ってしまいます。

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白1が失着でここは先に白Aと中央に出る一手でした。
実戦は黒2の後に3と出て行きましたが明らかに遅れています。
本音を言うと白1には受けてくれないだろうなと思いましたが、白Aに黒1とサガられる形が嫌で打ってしまいました。
ここは部分的な形よりも中央への速度が重要な局面でした。

自分の棋風を分析するとどうしても部分にこだわって形勢を損ねる事が多いのでそこは直さないといけませんね

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最後に敗着となった局面です。黒が1とアタリをしてきました。実戦は……

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白2と切ってから4とアテましたがここのコウは白から解消の仕方が難しく、ここではっきりと負けにしました。
局後の検討で本田九段に教えて頂いた図が下の図です。

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黒1の時に当然白2と抜く手は考えましたがその時は黒3とカケツがれて、白が不味いと思っていました。
しかし白6からコウの粘りで白がしぶとい形です。
その上、白8や10が外回りに石が来て、これなら白も勝負できそうです。
この図を教えて頂いただけでも、
価値があったと思います。

さてここまで手合の内容ばかりだったので、本田九段のエピソードを
私が院生本田九段院生師範だった時の話です。
本田九段はとても遠くから全体的に院生の碁を見てらっしゃいました。
その時はそんなに遠くから碁なんて見れるのかな?と半信半疑でしたがある日のこと……。

ある院生手合でコウ立てを打たずにコウを抜いてしまいました。
当然反則ですが、終盤の上にお互い秒読みの状態です。
周りの院生はもちろん、当の本人も気づいていませんでした。それなのに局後、本田九段が指摘して驚きました
その場にいる誰よりも良くその碁を見ていたのです。
数m離れた距離から!
当の対局者よりも(笑)

それからは、碁の強さだけでなくその姿勢や佇まいも含めて私の憧れの棋士となりました。
今回の手合では負けてしまいましたが、次に対局する時までにもっと勉強して『恩返し』出来るよう頑張りたいと思います。



次回は8月28日(火)に更新予定です。内容はかなりパソコンよりになりますが
新しく発表されたNVIDIA社のGeForceについて囲碁AIの話も絡めて書きたいと思います。
posted by プロ棋士さん at 13:04| Comment(0) | プロ棋士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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