囲碁入門の指導方法は、これまで多くの方が研究・実践してこられました。
しかし短時間で、分かりやすく、
しかも楽しく理解してもらうのは永遠のテーマかもしれません。
今回ご紹介する
『囲碁入門指導』寝屋川メソッドは、
大阪の寝屋川市のアマ団体の方が考えられた方法です。
私は、この方法ならたった2時間で、普通の囲碁入門教室の2年分の理解度が得られるのを感じていますので、是非多くの方に知ってもらいたいと思いました。
この『寝屋川メソッド』のすごいところは、
教える時の効率と、教わる側の楽しさです。
『囲碁入門指導』寝屋川メソッドの考え方は、下記をご覧いただくと、更にそのすごさが実感できると思います。
具体的な手順は次のような感じです。
①あいさつや礼儀・マナーから教える
②石の打つ場所・石取りのルール
(着手禁止点と例外)
③地の話(勝敗決定)
ここまではどの入門指導とも共通でしょう。
そしてここからが
『囲碁入門指導』寝屋川メソッドのポイントです。
①~③までは、説明されて理解はできても
実感できる人はまずいないでしょう。
そこで4路盤で実際に対局します。
黒番と白番を交代で打ちます。
石が取られることをすぐに体感できるので、
打っている方はおもしろさを感じることができます。
そして、すぐに終局するのも4路盤の特徴です。
打っている方がやることがなくなって止まりだしたら。
あるいは指導者が終局したかなと感じたら地の話・勝敗決定を説明します。
ここまで5分もかからずに『石取りのルール』と『地の話』を実感してもらうことができます。
そして10局ほど打つと、もうコツを掴んで4路盤は飽きてくる方も出てくるでしょう。
すると5路盤に進みます。
5路盤では強制ルールを1つ作ります。
初めに黒1と白2を置き石として、初手はAには打たないことを決めて打ってもらいます。
※これは地の概念をすぐに実感してもらう工夫です。
4路盤で石を取ることと取られることを体験しているので、ここでは少し逞しい成長を感じることでしょう。
黒番と白番を交代で打ちます。
何度か打っていると、下図のように地を作る感覚で進めるようになってくるでしょう。
また、そう指導しても良いでしょう。

この時に△が黒地で□が白地というのも理解しやすいと思います。
こうして数局打っていると、石取りルールに気を付けながら、最後は地が多い方が勝つという囲碁のルールが最速で身に付いていきます。
ここまでのポイントとしては、着手禁止点とその例外は初めに教えますが、出てきたら、その都度教えてあげることです。
難しい『ダメ』や『眼』のことは全く教えません。
初めに教えるのは、石取りルールと地の勝負の話、そして『打つ楽しさ』だけで良いからです。
実はこの『打つ楽しさ』を実感できるのが4路盤と5路盤を順番に使うポイントです。
常に自分が打つ手に対して何かしらの『回答』が返ってくるからです。
9路盤では、自分が何をしているのか分からない進行があり、しばらくしてから地が完成したり、石を取ったりと結果が出てきます。
これが囲碁のおもしろさを実感できない原因ではないかと思います。
4路盤と5路盤で囲碁の基本的なことが分かれば、後は6路盤で自由に打ってもらいます。
因みにコウは、紹介だけしておく程度で良いでしょう。
寝屋川メソッドのポイントは、教えることを教えるタイミングがきた時に理解してもらうこと。
その教えるタイミングがすぐに現れるのが
4・5・6路盤へと順に進めていく意味です。
余計なことは教えない。
曖昧な局面は出現させない。
これが効率良く教えるコツで、端的だから教わる方も理解しやすいと言えるでしょう。
因みに6路盤で普通に対局して慣れてきたり飽きてきたら7路盤に進めてください。
それでも飽きたら9路にジャンプアップ。
この時点では、一人で好きなように打てて、しかも地の概念も理解しているので、かなり戦略的に打ち進めることができるようになっているでしょう。
この時点で普通の入門教室の2年分の理解度。
棋力で言うと、10級の理解度になっていると思います。
そして徐々に13路、19路と慣れていくことで、一人前に打てるようになっていきます。
寝屋川メソッドのポイントは、最速で効率的に理解度を高めること。
理解度が高まれば、後は経験によって
本当の10級として打つことができるようになります。
因みにここまで4~9路盤を使っていますが、寝屋川のアマ団体では、紙に線が書かれたものをラミネートして使用しています。
本格的に9路盤で打つまでは手製盤が良いでしょう。
お近くのお友達などにこの寝屋川メソッドで是非囲碁を教えてみてください!
更に理解を深めたい方は下記もご覧ください。
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