2020年01月07日

院生の事、強くなるという事②

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

皆さんは年末年始はどの様に過ごされましたか?
私は実家の香川に帰って、本を読んだり詰碁を作ったりとのんびりと過ごしました。
1年目と違うのは大阪の自宅パソコンをオンにしたままにして、実家のパソコンで遠隔操作して
AILeela Zeroとも対局していました。
今のLeela Zeroの強さは凄まじいもので、互先で打つと60手くらいでもう必敗の形勢になっています💦
最近はLeela Zero相手に100手まで持たせるのが今の目標です。

さて、前回私が指導している院生の男の子の悩みを私の経験を踏まえてアドバイスした話をいたしました。
今回は過去の経験ではなく、今後の囲碁の未来、または展開をお話したいと思います。

今まで囲碁を覚えた時はアタリ最初に覚えて、かなり早い段階でシチョウを習うかと思います。
もし囲碁を打つ『人』で、シチョウを知らないのは入門者くらいではないでしょうか?
ここで『人』と強調したのはLeela Zeroを始めとしたAIは人の実力を超えていますが
実はシチョウが読めていなかったりします。
AI同士の自己対戦でもシチョウを最後まで逃げて大石ポン抜かれる碁がたまにあったりします。

なのでプロ棋士はシチョウを知らないAIに2子とか3子置くわけです。
これは今まで常識とされていたものが本当に重要かを見直すきっかけになっています。
逆に言えば、本当に重要なものをAIを通じて学べる可能性を持っています。
通常、院生くらいになると上達するスピードはかなり遅くなりますが
真に重要なものを見つけられれば院生でも直ぐに上達して入段する可能性がこれからあるのではないでしょうか?

それと今まではプロになれない見込みの子は師匠や院生師範から何歳までに何級になれないと諦めなさいと言われます。
いわゆる、首を切る宣言をするので言う方も辛いですが、今までは仕方ない行為ではありました。
しかし、これは今まで師匠や院生師範ひいてはプロ棋士が囲碁の強さの天井だったから言えた事でした。
※プロ棋士でも強さにバラツキはありますが、あえて天井と言う表現にしました。

これが例えば、アマ5~6段の方が院生の子に「君の実力ではプロ棋士になれないよ」と言ったらどうでしょうか?
私であれば「それ本当かな?」と疑ってしまいます。

アマ5~6段は先程の表現で言えば天井であったプロ棋士に3子くらいでしょうか。
天井3子の差がある人の発言がどれくらい信憑性があるのか……
実は現在、天井のAIと3子差のプロ棋士と言った関係になっています。
この状態で師匠や院生師範の言葉にどれくらい信憑性があるのか個人的には疑問です。

まとめると、今までの常識は通用しない時代に突入しているので
どんな子でもプロになれる可能性があるので周りの声に惑わられないで努力するのが大事と彼には伝えました。
幸いな事に院生を続けるみたいなので、今後も適切に指導して行く所存です!
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posted by プロ棋士さん at 18:11| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月21日

Leela Zeroに感謝、そして今後の囲碁AI

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

今冬は暖冬なのか、例年より暖かい気がします。

さて、当ブログでも度々取り上げていた
Leela Zeroですが
どうも1月31日をもって開発を辞めてしまう様です。

Leela Zeroは有志の方が無償で開発をしていたAI
知識さえあれば、誰でも無料で使えるソフトです。
棋士の間でも、使っている人は多いかと思います。

Leela ZeroAlphaGoの論文を受けて、人間の棋譜を一切使わずにどれだけ強くなるのかの実証実験的な意味で始まりました。
私も自身のパソコンを使って、8000局ほどLeela Zero同士の自己対戦譜を送ったので
微力ながらお手伝いは出来たかと思います。

開発者の方には本当に感謝しかありません。
この場を借りて御礼申し上げます。

AIを使って囲碁をしていて思ったのは、今まで固定観念にかなり囚われていたのが分かりました。
私はLeela Zeroと対局したり、Leela Zero同士の碁を観戦しますが、毎回面白い手が飛び出して、感心しています。
なので私はここ1~2年、囲碁がとても面白く感じています

以前Leela Zeroが世界大会で入賞した時に開発者のインタビューで開発者のGian-Carlo Pascuttoさんは
Leela Zeroを開発して良かった事は、世界中の囲碁をする人をハッピーに出来た事だ」
と仰られてたのがとても印象的で素晴らしい人物なんだなと思いました。
※インタビュー記事は元が英語で、私が見たのは機械翻訳なのでニュアンスは少し違うかもしれませんが💦

実はLeela Zero以外にもKataGoSAIなどLeela Zeroのコンセプトを受け継いだプロジェクトはあるので
今後の囲碁AIはまだまだ注目です。

私が注目している囲碁AISAIの自己対戦の棋譜を紹介いたします。

無題.png
まずは序盤から
SAIは三々に対して手抜きする事があります。
黒3に対する白4がそれですね。

無題.png
右下の黒11、13のツケヒキの後も定石なら15手目で黒20に一間トビですが、ここも手抜きしています。

無題.png
かなり進みましたが、黒59の時に白60が柔らかい発想で好手です。
黒61とコスませてからの白62が名調子!
私の印象だとSAIは手抜きが得意で柔軟な発想の手が多い様に感じます。
まだLeela Zeroと比べても弱いですが、今後に期待しています。
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posted by プロ棋士さん at 17:30| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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