2019年02月05日

Leela Zeroの両ガカリからの捌き

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

2月に入りましたが、まだまだ寒いですね
私も部屋では毛布にくるまっています(笑)

さて今回は久しぶりにLeela Zeroについての話題を書きたいと思います。
昨年の碁ですが、Leela Zeroelf(Facebook製AI)との対戦で面白い形があったので紹介したいと思います。

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早速、序盤の解説から
以前は黒5のカカリに対して、受けあるいはハサミが主流で両ガカリされると厳しいとされてきましたが
最近では両ガカリされても捌く手段が色々出てきて
両ガカリを恐れなくなってきました。

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実戦も両ガカリからの変化になりました。
黒5のツケには6と隅から押さえるのが多く打たれています。
黒9の時に10のカタツキがこの場合の形です。

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黒5からの出切りは気になりますが、白はいつでも8のコスミで生きているので心配ありません。

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実戦は白△のカタツキに黒11と飛んで、白12の戻りに13とこちらに展開しました。
これで両ガカリからの変化は一段落です。

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局面が進んで黒が両ガカリしたところです。
白が相当苦しそうですが、ここで面白い手がありました。

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白1とコスミツケました。
確かに黒が多いところなので考えられますが、白は更に3とコスミツケます。
そしてこの後が驚愕でした。
なんと!白57のハネを先手で決めて白9とこちらに回りました
これを最初に見たときは五目並べ!?をやってるのかなと思いました(笑)

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黒は当然黒1と3々に来ますが、
白24意外に大した事ありません。

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左上隅はこの様な形になりましたが、黒◻の石が黒の厚みに近寄り過ぎなので白に不満はありません。
最後は白の中押勝。

右上は通常の両ガカリからの捌き、左上は相手が多い時の捌きという2種類の捌きが参考になります。

さて、当ブログは度々Leela Zeroの話題を出しておりますがプロジェクトが終わるかもというお話をしたいと思います。
Leela Zeroもだいぶ認知されて、プロ棋士でも多くの人が使っています。

Leela Zeroの関係者なども書き込んでいるフォーラム(ネット掲示板みたいなもの)で
開発者のgcpさんが「Leela Zeroもelfより強くなったし、そろそろプロジェクトを終わっても良いかも」と書き込んでおられました。
確かにAIの強さには限界がないので、どこで終わりにするか難しいところです。
特に開発者の方はソフトの維持費も自己負担なので大変なのは想像に難くないです💦
この辺り、オープンソースのソフトは厳しいですよね。

もしソフトの更新が止まると、どうするかを考えないと…
既に人間より強いのでそのまま使うか、別のAIを使うか?
現在私は『minigo』というAIを試していますが、まだまだ使い方が分かってません。

ただ、まだLeela Zeroも稼働はしているので様子見が良いかもしれません。
もしかしたら他の方が引き継ぐ可能性もありますし
今後も囲碁AIの情報は重要なので、このブログでもお伝え出来たらと思います
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posted by プロ棋士さん at 15:42| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月12日

瀬戸大樹八段の級位診断会

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

2月も半ばですが、昨日は大阪でも雪が降っていました。
まだまだ寒いですね💧
皆さんも風邪にはお気をつけ下さい。

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さて昨日の2月11日は関西棋院囲碁サロンにて級位診断の会を行いました。
内容は30分ほど次の一手や詰碁のテストを受けてもらい、その後は参加者の方同士で対局していただきました。

瀬戸大樹八段を講師に迎え、大盛況で会を無事終了出来ました。
参加者の方全員に瀬戸先生署名の認定証(カードサイズ)を進呈しました。
関西棋院で認定証、しかも瀬戸先生署名は初めての試みで参加者にも好評でした

更に対局で全勝の方には関西棋院から級免状の方を贈呈させていただきました!
通常、全勝者は何人か出るのですが今回は皆さん実力伯仲で、今回全勝者はお一人のみでした。
進行の都合上、対局時計を使いましたが皆さん問題なく使用されていました。

最後に瀬戸八段による次の一手や詰碁の解説もあり盛りだくさんの内容でした。
関西棋院に初めて来られる方も何人かいらっしゃり、また人を誘って来ようかなとおっしゃって頂けて
今回の認定診断会を企画した私としては有り難いお言葉でした🎵

昨日の棋力診断会は級位者限定でしたが、今後は初段免状所得の会など定期的に行っていきたいと思います。
お近くの方は是非とも次回の棋力診断会のご参加をお待ちしています。

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posted by プロ棋士さん at 16:35| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月19日

研究会と院生

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

バレンタインは義理チョコを何個かいただきました
嬉しい半面、お返しがまた悩ましいですね。
持ち時間はまだあるので最善の一手を模索しようと思います(笑)

さて、今回は本日打った研究会の碁の解説と院生についてお話できたらと思います。
今日の相手は院生の男の子です。
私の白番です。

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白10でスソガカリと工夫してみました。
黒が11と受けたので

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白12から14と通常の定石を選択しました。
隅に利き筋があるので黒からAに
詰めづらいというのが白の主張です。
実戦はこの後、15のカカリと来た時に…

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白16とツケました。
カケツ九段が打っていて
面白そうだと思い試してみました。
ですが、昔からあった筋のようです。
私の勉強不足でした💦
基本的に研究会ではいろいろ試すようにしています。

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実戦黒は1と伸びてきたのでそれを見て
白2のワリコミが狙いです。

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黒15まで一段落ですが、
ここは白が一本取った形になりました。
比較図として…

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この図は通常の定石ですが、
白5のキリが損なので(この手順では仕方ありませんが)
実戦図の方が白勝ります。
この後も難しい戦いが続きましたが
最後は何とか勝つことが出来ました。

さて、関西棋院の院生は外部に名前や成績が出ていないので一般の方は入段してからお知りになるパターンがほとんどかと思います。

もちろん入段する人もいれば、辞めていく人もいます。
この3月までにも何人か辞めてしまいます。
受験や年齢制限など理由は様々ですが、
今まで囲碁一筋だった生活が一変する訳です。
私も院生の頃は「もしプロになれなかったら…」と恐怖していました。

ただ今この年齢になって思うのは、自身が努力して得たものは決して無駄にならないという事です。
言葉にするのは難しいですが、囲碁の理論立てて考える力長時間にわたる対局の集中力などは他の勉強にも役立つものだと信じています。

なので現在も戦っている現役院生ももちろん、辞めた子たちにも自信を持って人生を歩んでほしいと切に願っています。

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posted by プロ棋士さん at 17:25| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月26日

最近の私の勉強法①

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

最近少し暖かくなって来ましたね。
このまま順調に春になると良いですね

前回は院生のお話をしました。
その中で3月に年齢制限が来る子もいるという話が
あったかと思いますが
先週に入段を決めた子がいました!

実はその子は私が知っている子なので
今はホッとしています。
年齢制限が迫ってくると精神的な面が重要になります。
要するに平常心で対局出来るかですね…
囲碁は勝とう勝とうとしても勝てるのものではないので

それを克服しての入段なので非常に価値があります。
彼は4月1日付け入段なので
今話題の仲邑菫さんと同期になるかと思います。
彼のこれからの活躍に期待です🎵

さて、告知通り私の最近の勉強法というか
考え方をご紹介したいと思います。

今回は棋譜並べについてです。
以前は盤の前に座り、一つの碁を吟味しながら並べるスタイルでした。
ただ、身に付くのは確かでしょうがチェックする棋譜が必然的に少なくなります。
(1局に時間を掛けるので当然ですね💦)
それに盤の前に座るのは「よし!勉強するぞ!」という気持ちがないと難しいです。

それを踏まえて私がここ1年程試しているのが
棋譜をパソコンで見る事です。
sgf形式の棋譜ファイルなら最新の棋譜から古典の名局まで揃っています。

そういった棋譜をパソコンで一手一秒ペースで鑑賞しています。
もちろん気になった所は巻き戻して考えたりしています。

この勉強法の利点は超スピードで一局見れるのでたくさんの碁がチェック出来る点です。
要するに質より量ですね!

現在私は院生の男の子を教えていますが、その子と1日何局見たかを競い合っています
それとこの方法ならスマートフォンでも見れるので場所を選ばないのが便利です。

最近思っている事ですが、勉強するぞ!と意識してする段階はまだまだ未熟で
生活の一部に勉強が溶け込んでいるのが理想ではないでしょうか。

勉強しているつもりはなかったが
結果として勉強になっている…
まるで禅問答ですが、これが究極の勉強なのではと考えてます。
まぁ、気付くのが遅すぎなのですが(笑)

なので私が気付いた事や改善したものは教えている院生の子にフィードバックするようにしています。
ただ、勉強法は人それぞれなので勉強の押し付けにならないように気を付けています。

私自身も人からあれこれ指示されるとげんなりするタイプなので
今はAI同士の碁2局、本因坊秀策の碁2局を最低ノルマにしているので段階を踏んで増やして行こうかと思います。

AIと古典の碁というと真逆と思われがちですが
そんなことはなくむしろ近い感じさえします。

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これはAI同士の碁です。
黒7の三々はAIらしいですが、左下隅の白6はまさしく『秀策のコスミ』で
「碁盤の広さが変わらぬ限り、このコスミが悪手になる事はない」の秀策の言葉通り、現在でも打たれています。

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今度は江戸時代の碁で黒は本因坊秀和です。
黒5のように星打ちは江戸時代から用いられていました。
白8のハサミに黒9と飛んでから11とハサむのは現代の感覚です。

このようにAI同士でも古典と同じ考えだったり、古典でも現代と同じ感覚だったりします。
AIでも古典でも良いものはどんどん取り入れて行きたいと思います。
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posted by プロ棋士さん at 16:03| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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