2018年06月05日

師匠との対局②

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

5月31日を持ちまして『わくわく囲碁の村』はサービスを停止致しました。
これまでのご愛顧有難うございました。

今後は関西棋院のHP内でコンテンツを発信していきたいと思います。
当ブログも「ネットで囲碁が楽しめる! 『関西棋院』ブログ」と一旦名前を変更いたします。
あくまで仮なので、何かいい名前があれば採用します(笑)

さて先週は師匠の苑田九段との対局を少しだけ解説しましたがその続きをやりたいと思います。
前回は三々ではなく一路下のツケをAIに勧められたと言う話でした。
ブログ20180528B.png
AIは特に序盤や中盤の感覚に優れていると感じます。
この後、数手進んで↓の局面
ブログ0604.png
黒に1~3と広げさせてから白4と動き出すのが
私の作戦でした。
実戦は白6にカケれたら白がまずまずかと思います。
ブログ0604b.png
実戦は黒9までなりましたが、△の黒が中央重視なのに
対して7、9は位が低いのでミスマッチの感があります。
と、ここまでの形で面白い事がありました。
この碁が終わった後の検討で金 秉民七段が示されたのが下の図で
ブログ0604c.png
黒1と高い方のケイマで、仮に黒5までとなった時に白から打つ手が難しいのです。
実はこの後にAIでこの局面を見させたところ、やはり黒1のケイマが一番評価が高かったです。
プロ棋士AIの意見が一致する場合、
その一手はかなり有力です

逆に下図の白1のオシは検討した結果、左辺の黒模様の荒らし方が難しいので却下になったのですが、
ブログ0604D.png
      (白番で次の一手は?)
AIはこの図を勧めてきました。そして、この後の黒模様の荒らし方が凄かったです。
師匠は日本棋院の武宮正樹九段と並んで中央が手厚い棋風で「東の武宮、西の苑田」と言われていました。
中央の感覚に一家言ある、苑田九段も気付かなかった次の手とは?
次週に答え合わせをしたいと思います。

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posted by プロ棋士さん at 10:00| Comment(0) | プロ棋士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月12日

師匠との対局③

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

前回は師匠の苑田九段との対局で次の一手を出題しました。
ブログ0604D.png
この局面ですね。
局後の検討では黒模様の消し方が難しいとの話でした。
そしてこの局面をAIに分析した結果…。
ブログ20180612.png
白1がAIの次の一手でした。
示された最初は頭の中が「?」でいっぱいでした。
黒2は第一感ですが、これには白3を先手で決めてから白5のシマリはびっくりしました。
白1~3の二手だけで仕事が終わった顔をして、最初はAIに腹が立ちましたが(笑)
これを咎めるのが難しいのです。
ここで変化図を一つ
ブログ20180612B.png
白1に黒2と受けると、グイグイ押していくのが好手。
もし白7に対して黒8と頑張って受けると白9からの11が決め手で黒の陣地が破れます。

今まで我々棋士でも中央の感覚が難しく、隅や辺と違って定石が無いのである意味ブラックボックスでした。
棋士の実戦で初手天元があまり無いのもそう言う事情です。
しかしこれからはAIがその辺りを解明してくれるかもしれません。

弟子の私が言うのは恐縮ですが、苑田九段の棋風を自分なりに分析すると
中央が厚いのでなく、筋が厚いと言った印象です。
分かり難くてすみません…。
言葉にすると非常に難しい💦
例えるなら、私ならその場で耐えてるならOKな所を苑田九段はもっと相手の石が来ても大丈夫な様に打ってらっしゃる印象です。
それでも遅れていないのが本当に不思議です

苑田九段は今も尚情熱を持ってて、毎週火曜に関西棋院で苑田研究会(通称、苑研)を何十年も続けてらっしゃいます。
苑研は検討中心の研究会ですが、苑田九段の人柄もあり和やかな雰囲気でされております。
かくいう私は隣で滝口研究会に行ってるので裏切り者ですが(笑)

そういう意味では苑田九段は一つの棋士の究極の形なのでは思います。
今回は『恩返し』(囲碁界で師匠に公式戦で勝つ意味)出来ませんでしたが、次回こそ『恩返し』したいと思います。
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posted by プロ棋士さん at 17:55| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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