2018年10月16日

対局時の電子機器の取り扱いについて

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

気温的には寒くなって来ました。
ただ私の部屋はパソコンが熱を発しているので暖かいです(笑)

さて今回は対局時の電子機器の取り扱いについてお話したいと思います。
先月、ニュースになりましたが
日本棋院さんは10月から対局時には電子機器をロッカーに預けるルールになりました。

私はルールが変わってから交流手合を打っていないので
詳細はわかりませんが、関西棋院でも以前から議論はされてきました。
電子機器を制限する利用は皆さんもご存知の通り、囲碁AIの急速な進歩にあります。

もちろんハイエンドなGPUを使った分析ほどではありませんが、スマートフォンにもLeela Zeroはインストール出来ます。
私もLeela ZeroではありませんがAQをスマートフォンに入れています。
棋力はまだ私でも勝てる程度ですが、今後は更に進化するかと思います。

将棋の例を見るまでもなく、ルールを作るべきですが
どこまでやるかがとても難しい問題です。
一昨年くらいのニュースだったかと思いますが、チェスのグランドチャンピオンがお手洗いのトイレットペーパーの芯にスマホを隠していた事件がありました。

あるいはスマートウォッチみたいに腕時計と区別がつかない機器もあります。
もし完全にやるなら、公共の場所のチェックに金属探知機の導入や荷物検査など必要かもしれません。

将棋連盟さんは金属探知機を使っているそうですが、毎回ではなく抜き打ちで実施しているそうです。

おそらく究極は空港の様に金属探知機のゲートを通って、荷物はX線検査でしょうか💦
関西棋院でそれは現実的ではないので
落とし所が必要ですが、そこが難しい

スマホを預けるのは良いとして、誰もいない所に鍵もなしは怖いですよね?
もちろんスマホの使い方次第ですが、私的には財布に保険証を入れてる状態と一緒な感覚ですね。
なので雑な管理だと心配になります💧

分かりやすいのは対局時にはスマホを持って来ないのが一番ですが、それは強制出来ないのがまた難しい所です。

私が常々思うのは、なんだが江戸時代に逆戻りしてしてるのではと言う感覚です。
電子機器とは離れますが、小目に小ゲイマガカリが復活していますし、御城碁は缶詰で打たされて外界との接触は出来ませんでした
それにAlphaGoの打ち筋は本因坊道策を彷彿させます(笑)
それは置いといても、棋士が缶詰状態で対局するのも時間の問題かも……。

お昼休憩に、外で色々食べに行くのが楽しみな私としては困ったものです
皆さんも良いアイディアがあれば、是非教えて下さい!!
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posted by プロ棋士さん at 17:36| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月09日

GeForce RTX 2080のレビュー

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

台風のせいか一時的に気温が上がりましたが、ようやく寒くなり段々と冬に近づいている感がありますね。
皆さんも体調にはくれぐれもお気を付け下さい。

さて前回の予告通り、個人の趣味ではありますがパソコンのパーツ『GPU』の新型を購入いたしました。
今回はその感想を伝えられたらと思っております。

以前、囲碁AIには『GPU』(※グラフィックボードとも言います)が重要というお話をいたしました。

今回私が購入したのはNVIDIA社の「GeForce RTX2080」を購入しました。
より上位の「GeForce RTX2080ti」もほぼ同時に発売されましたが、

①値段が高い(日本で買うと20万円します)
②発熱量が2080よりも多い
この2つの理由でGeForce RTX2080」を買うことにしました。

DSC_0180-01.jpg
まずは箱です。大きさはこの写真では分かりづらいかと思いますが…

DSC_0181-01.jpg
真ん中の黒くてファンが3つあるのが今回買ったGPUです。
箱から出した感想は「デカい!?」でした。

実はこの様な高性能のGPUを買うのは初めてで若干戸惑いました。
高性能の製品をハイエンドと呼びます。
因みに私が以前使っていた「GeForce GTX1060」はミドルレンジという位置付けでした。

その大きさに戸惑いながらも自分のパソコンに組み込み、スイッチを入れると……
無事に起動しました。
がしかし、そこで問題が!?

上の写真のファンの裏側は金属製のバックプレートなのですが、そこに電源のケーブルが一部接触してしまいました💦
接触するくらいなら問題ありませんが、時間が経つにつれバックプレート凄い熱さに…
少し大袈裟に言うと、目玉焼きくらい焼けそうです
こんな場所に電源ケーブルを接触したままには出来ません。
考えた末に電源をケースの外に出すという苦肉の策で対応しました。

がこもるのも困るのでパソコンケースの両サイドと天板は外しております。
本当なら、写真でお見せするべきなのでしょうが余りに不格好なので許してください

ただ、性能の方は素晴らしく向上して以前より2~3倍の深さを読み込ませてもまだ余裕がありそうです。
そのため以前は不安要素があった死活が絡んだ攻防はかなり信頼性が増した感があります。 

囲碁のブログなのに囲碁のことは上の2行だけという自体に私もびっくりです(笑)
注意点としては同じ「GeForce RTX2080」でも製品によっては熱くならないのもあるかもしれませんので
その辺りは製品のレビューをチェックすれば良いかと存じます。

因みに私が購入したのは「GV-N2080WF3OC-8GC」という型番になりますのでご参考に
性能自体は旧製品よりはっきり上なので、元々ハイエンドのパーツ構成を考えている人は問題ないかと思います。

以上、GeForce RTX 2080のレビューでした。
ご質問どしどしお待ちしています!
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posted by プロ棋士さん at 18:12| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月02日

Leela Zeroの有力布石と定石③

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

先週は台風24号が来て、関西棋院は教室や院生手合は休みになりました。
今年は台風が多いイメージがありますが気のせいですかね
何故か心配になってしまいます。

さて前々回、前回とLeela Zero有力な布石や定石を紹介しましたが今回も同じ流れで行きたいと思います。

ブログ1002A.png
今黒が△にハサんだ所です。
ここでサバキと言うと……

ブログ1002A.png
白1~3のツケ二段が定番の手筋です。
この後の黒の対応は以前なら

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黒が中央を手厚く打つ場合は黒4~6のアテツギが
常套手段で、白は7と隅の黒を噛み取る展開になります。
この別れは黒12と突き抜くのは大変気持ち良いですが
白も隅を取って満足の別れです。
黒4の時にLeela Zero柔軟な手を披露してくれました。

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それが黒△のノビです。
アテれるのにアテない味わい深い手です。

ブログ1002A.png
黒△のノビに対して
白は1、3と隅を生きるくらいです。
前述のアテツギと比べますとこの図は
・隅の黒石を取られていない
・相当黒の形が厚い
・ただし、黒が後手

黒が後手になるので、毎回ノビが最善かと言うとそんな事はないかと思います。
ただ形としては相当黒が厚い形なので模様の碁だと有力かもしれません。

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因みに黒△に対して無理やり隅の黒を取ろうとしても2、4と逃げられて黒は捕まりません。

定石は今まで人間が研究し尽くしてるかと思われましたが
まだまだ未開の手が潜んでいるのですね。
大変勉強になりました!
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posted by プロ棋士さん at 15:37| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月25日

Leela Zeroの有力布石と定石②

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

最近は寒暖差がかなりありますが、皆さんは体調いかがでしょうか。
私はなんとか風邪などは引かずにいます

さて、前回はLeela Zero自己対戦から
有力な布石を紹介いたしましたが、今回もご紹介したいと思います。

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前回、黒17のキリに対して直ぐに18と突き抜くのが有力と言うお話をいたしました。
今回はそれからの続きとなります。
黒21の後に白△とかかった局面です。

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この時に黒1とハサむのが面白い手です。
通常ハサミと言うと白を攻めたり、自身の模様を広げるのに使います。
しかし、この場合は上辺白模様の制限の意味があります。
白2の一間トビは第一感で黒3も相場です。
この時に白から面白い手がありました。
ここでは白Aとかけるのが定石ですが…

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白4とかけると黒5以下、小さく捨てられます。白は太線で囲ったくらいの幅しかなく小さく制限されました。
白4でLeela Zeroがよく打つのが下の図の二間です。

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普通は打つ手には名称がありますが、これは何なのでしょうねカケ?ボウシ?
何とも不思議な手です。
意味としては黒に圧力をかけつつ広く構えることで捨てにくくと言った所でしょうか。
この後に、

ブログ20180925a.png
黒が5~7と打てば上辺の黒は生きますが今度は白10、12と右上の黒に圧力をかけます。
なのでLeela Zero自己対戦では

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黒1からハネツギが多く見られます。
どうもここが急所の様で白の応手が難しい所です。

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ここで白4に打つと黒5のハサミツケから悠々と黒9で捌かれます。
ではどう打つのが良いのでしょうか?

ブログ20180925a.png
ここは白4のケイマツギと言うのですかね?(名称が不明ですみません💦)
この手が柔らかい発想でとても参考になります。
黒の5は大きい手ですが白は手を抜いて白8の打ち込みに回ります。

今回は上辺に白がかかってからの応戦でしたが、いかがでしたか?
白の柔らかい発想は皆さんにも参考になるかと思います。
前回、今回とLeela Zeroの流行形を解説しましたが、次回も紹介して一旦区切りにしたいと思います。

また好評なら第四弾、第五弾と紹介いたします

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posted by プロ棋士さん at 17:18| Comment(0) | AI囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月18日

Leela Zeroの有力布石と定石①

皆さん、こんにちは。
関西棋院棋士の星川愛生です。

ここ最近は寒かったり暑かったりして、
毎朝半袖にするか長袖にするか迷っています(笑)
さて前回予告した通りLeela Zeroの自己対戦から
流行の布石・定石を取り上げたいと思います。

早速ですが下の図をご覧ください。
ブログ0918a.png
小目に対して黒5と小ゲイマにかかるのが
AIに多い手法です。
現在では人間もマネをして小ゲイマカカリが復活しています。

白8の後に黒9とこちらにかかって行くのは
ヒラキを省略しようとする意図です。
そして11、13のツケ二段の後…
ブログ0918a.png
白の14、16の手には17とこちらを切って隅に変わります。
一時期は黒17でAと連絡する手を打っていましたが
最近はほとんど見かけません。
※Leela Zeroの自己対戦内での話です。

この後は今までは下の図が常識でした。
ブログ0918a.png
白は先手を取って24のハサミに回る意図です。
私自身も左上隅はこの形が最善と教えられました。
しかし黒からABの味があり
白が薄いとのLeela Zeroの判断です。
ブログ0918a.png
なので、直ぐに18と突き抜くのが主流になりました。
白が後手なので当然黒に21と回られますが
左上隅はA~Cの効き筋があり白が厚い形なのです。

AIによって判断基準が180度変わった例でした。

この様に今までの常識がどんどん変わって行っています。
次回もLeela Zeroの自己対戦から
有力な布石や定石をご紹介したいと思います。
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posted by プロ棋士さん at 18:19| Comment(0) | AI囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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